日本におけるイヌの歴史について調べてみた2

  • 2019.03.30
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先史・古代のイヌ2

弥生時代の遺跡からは縄文犬と形質の異なる犬が出土しており、

長崎県の原の辻遺跡などでは、

解体された痕のある犬の骨が発見され、

食用に饗されたことも窺える。

『日本書紀』には日本武尊が神坂峠を超えようとしたときに、

悪神の使いの白鹿を殺して道に迷い、窮地に陥ったところ、

一匹の狗(犬)が姿を現し、

尊らを導いて窮地から脱出させたとの記述がある。

そして、『日本書紀』には天武天皇5年4月17日(675年)の条に、

4月1日から9月30日の期間、牛・馬・犬・猿・鶏の、

いわゆる肉食禁止令を出しており、

犬を食べる人がいたことは明らかである。

なお、長屋王邸跡から出土した木簡の中に子を産んだ母犬の餌に

米(呪術的な力の源とされた)を支給すると

記されたものが含まれていたことから、

長屋王邸では、貴重な米を犬の餌にしていたらしいが、

奈良文化財研究所の金子裕之は、

「この米は犬を太らせて食べるためのもので、

客をもてなすための食用犬だった」との説を発表した。

奈良時代・平安時代には貴族が鷹狩や守衛に使う犬を

飼育する職として犬養部(犬飼部)が存在した。