チェックリスト付き】老犬の異変に気づく健康チェックポイント5選
- 2025.12.23
- 介護
第2章:老犬の健康状態を見極めるチェックポイント
〜早期発見が未来を守る、愛犬の変化に気づく力〜
▶「なんとなく元気がない」を放置してはいけない理由
私が飼っていたミニチュアダックスの「レオ」は、14歳になった頃から、少しずつ寝ている時間が増え、以前ほど散歩にも行きたがらなくなりました。「もう年だからね」と家族で話していたのですが、実はそれが病気のサインでした。
動物病院で診てもらったところ、「慢性腎不全」が進行していたのです。
犬は我慢強いため、飼い主が「おかしいな」と思ったときには、すでに深刻な状態に入っていることも多いのです。
老犬の介護で最も大切なのは、小さな変化に気づける観察力。
ここでは、具体的なチェックポイントを5つに分けてお伝えします。
① 食欲の変化:食べ方・飲み方は要注意
観察ポイント:
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食べる量が減った/増えた
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噛まずに丸呑みしている
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食事の最中にむせる
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水を異常にたくさん飲む or まったく飲まない
考えられるリスク:
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歯周病や口内炎
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胃腸トラブル(腸閉塞・腫瘍など)
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腎不全や糖尿病の可能性
私の体験:
レオが食事を急に残すようになったとき、「好き嫌いかな?」と思っていたのですが、実は口内炎ができていたようで、食べると痛かったんですね。口の中を見てみると、歯茎が赤く腫れていたんです。
すぐに動物病院で歯石除去と治療をしてもらい、数日で元通り食べられるようになりました。
② 歩き方・動きの変化:関節や神経の衰えのサイン
観察ポイント:
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よくつまずくようになった
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ソファに飛び乗れない
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後ろ足が震える
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散歩を嫌がる・途中で座り込む
考えられるリスク:
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関節炎・股関節形成不全
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椎間板ヘルニア
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筋力低下・運動不足
補足:
「高齢犬は散歩が嫌いになる」と思われがちですが、動きたくても関節が痛くて動けない場合もあります。これは人間の膝痛と同じです。
アクションポイント:
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滑りにくい床材(コルクマット等)に変更する
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サプリメント(グルコサミン・コンドロイチン)の使用
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シニア犬用ハーネスやスロープの導入
③ 排泄の変化:量・回数・においに注目
観察ポイント:
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トイレの失敗が増えた
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おしっこの色が濃い、においが強い
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血尿、下痢、便秘の頻度が高くなる
考えられるリスク:
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腎臓・肝臓の疾患
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膀胱炎、前立腺肥大
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認知症による排泄コントロールの低下
私の体験:
ある日、レオがトイレの場所を忘れ、違う部屋で粗相をするようになりました。最初は「トイレが遠いのかな?」と考えましたが、動物病院で相談したところ、老犬性の軽い認知症の初期兆候だとわかりました。
その日からトイレの場所を複数に増やし、夜は紙おむつも導入しました。
④ 行動・性格の変化:いつもの様子と違うなら注意
観察ポイント:
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飼い主への反応が鈍くなった
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呼んでも来ない・目が合いづらい
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無駄吠え・夜鳴きが増えた
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性格が変わった(攻撃的になる、逆に無気力になる)
考えられるリスク:
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認知症(犬の認知機能障害症候群)
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目や耳の衰え(白内障、聴力低下)
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不安やストレスの蓄積
ワンポイント:
高齢犬にとって、「日常の変化=強いストレス」です。引っ越しや家具の配置換え、家族の不在などが、問題行動の引き金になることも。
対処法:
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毎日のルーティンをできるだけ守る
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明るすぎない部屋、静かな環境を意識
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不安軽減サプリ(CBD、ギャバなど)を試すのも有効
⑤ 皮膚・被毛の状態:老化や内臓疾患のサイン
観察ポイント:
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毛ヅヤがなくなった
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体をよくかく、皮膚に赤みがある
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体臭が強くなった
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毛が極端に抜ける/フケが目立つ
考えられるリスク:
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甲状腺機能低下症
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アレルギー、皮膚疾患
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老化による新陳代謝の低下
私の体験:
レオの毛並みがゴワゴワになったとき、フードを「高齢犬用」に切り替えたら、1ヶ月で見違えるように回復しました。老犬用フードは、**皮膚・毛の栄養成分(オメガ3、ビオチンなど)**が強化されているので、おすすめです。
▶定期的な「老犬健診」のすすめ
体調の変化を見逃さないためにも、年に1〜2回の健康診断が重要です。
最近では、動物病院でも「シニア犬健診パック」が用意されているところも多く、血液検査・尿検査・レントゲンなどをまとめてチェックできます。
費用の目安:
10,000円〜20,000円(内容によって変動)
✅この章のまとめ
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老犬の小さな変化に早く気づくことが、介護の負担を軽減する
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食欲・歩き方・排泄・行動・皮膚の変化は5大チェックポイント
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見落としがちな「性格の変化」や「感覚の衰え」にも注意
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定期健診で病気の早期発見を目指すことが、長生きのカギ
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