チェックリスト付き】老犬の異変に気づく健康チェックポイント5選

チェックリスト付き】老犬の異変に気づく健康チェックポイント5選

第2章:老犬の健康状態を見極めるチェックポイント

〜早期発見が未来を守る、愛犬の変化に気づく力〜


▶「なんとなく元気がない」を放置してはいけない理由

私が飼っていたミニチュアダックスの「レオ」は、14歳になった頃から、少しずつ寝ている時間が増え、以前ほど散歩にも行きたがらなくなりました。「もう年だからね」と家族で話していたのですが、実はそれが病気のサインでした。

動物病院で診てもらったところ、「慢性腎不全」が進行していたのです。
犬は我慢強いため、飼い主が「おかしいな」と思ったときには、すでに深刻な状態に入っていることも多いのです。

老犬の介護で最も大切なのは、小さな変化に気づける観察力
ここでは、具体的なチェックポイントを5つに分けてお伝えします。


① 食欲の変化:食べ方・飲み方は要注意

観察ポイント:

  • 食べる量が減った/増えた

  • 噛まずに丸呑みしている

  • 食事の最中にむせる

  • 水を異常にたくさん飲む or まったく飲まない

考えられるリスク:

  • 歯周病や口内炎

  • 胃腸トラブル(腸閉塞・腫瘍など)

  • 腎不全や糖尿病の可能性

私の体験:
レオが食事を急に残すようになったとき、「好き嫌いかな?」と思っていたのですが、実は口内炎ができていたようで、食べると痛かったんですね。口の中を見てみると、歯茎が赤く腫れていたんです。
すぐに動物病院で歯石除去と治療をしてもらい、数日で元通り食べられるようになりました。


② 歩き方・動きの変化:関節や神経の衰えのサイン

観察ポイント:

  • よくつまずくようになった

  • ソファに飛び乗れない

  • 後ろ足が震える

  • 散歩を嫌がる・途中で座り込む

考えられるリスク:

  • 関節炎・股関節形成不全

  • 椎間板ヘルニア

  • 筋力低下・運動不足

補足:
「高齢犬は散歩が嫌いになる」と思われがちですが、動きたくても関節が痛くて動けない場合もあります。これは人間の膝痛と同じです。

アクションポイント:

  • 滑りにくい床材(コルクマット等)に変更する

  • サプリメント(グルコサミン・コンドロイチン)の使用

  • シニア犬用ハーネスやスロープの導入


③ 排泄の変化:量・回数・においに注目

観察ポイント:

  • トイレの失敗が増えた

  • おしっこの色が濃い、においが強い

  • 血尿、下痢、便秘の頻度が高くなる

考えられるリスク:

  • 腎臓・肝臓の疾患

  • 膀胱炎、前立腺肥大

  • 認知症による排泄コントロールの低下

私の体験:
ある日、レオがトイレの場所を忘れ、違う部屋で粗相をするようになりました。最初は「トイレが遠いのかな?」と考えましたが、動物病院で相談したところ、老犬性の軽い認知症の初期兆候だとわかりました。
その日からトイレの場所を複数に増やし、夜は紙おむつも導入しました。


④ 行動・性格の変化:いつもの様子と違うなら注意

観察ポイント:

  • 飼い主への反応が鈍くなった

  • 呼んでも来ない・目が合いづらい

  • 無駄吠え・夜鳴きが増えた

  • 性格が変わった(攻撃的になる、逆に無気力になる)

考えられるリスク:

  • 認知症(犬の認知機能障害症候群)

  • 目や耳の衰え(白内障、聴力低下)

  • 不安やストレスの蓄積

ワンポイント:
高齢犬にとって、「日常の変化=強いストレス」です。引っ越しや家具の配置換え、家族の不在などが、問題行動の引き金になることも。

対処法:

  • 毎日のルーティンをできるだけ守る

  • 明るすぎない部屋、静かな環境を意識

  • 不安軽減サプリ(CBD、ギャバなど)を試すのも有効


⑤ 皮膚・被毛の状態:老化や内臓疾患のサイン

観察ポイント:

  • 毛ヅヤがなくなった

  • 体をよくかく、皮膚に赤みがある

  • 体臭が強くなった

  • 毛が極端に抜ける/フケが目立つ

考えられるリスク:

  • 甲状腺機能低下症

  • アレルギー、皮膚疾患

  • 老化による新陳代謝の低下

私の体験:
レオの毛並みがゴワゴワになったとき、フードを「高齢犬用」に切り替えたら、1ヶ月で見違えるように回復しました。老犬用フードは、**皮膚・毛の栄養成分(オメガ3、ビオチンなど)**が強化されているので、おすすめです。


▶定期的な「老犬健診」のすすめ

体調の変化を見逃さないためにも、年に1〜2回の健康診断が重要です。
最近では、動物病院でも「シニア犬健診パック」が用意されているところも多く、血液検査・尿検査・レントゲンなどをまとめてチェックできます。

費用の目安:
10,000円〜20,000円(内容によって変動)


✅この章のまとめ

  • 老犬の小さな変化に早く気づくことが、介護の負担を軽減する

  • 食欲・歩き方・排泄・行動・皮膚の変化は5大チェックポイント

  • 見落としがちな「性格の変化」や「感覚の衰え」にも注意

  • 定期健診で病気の早期発見を目指すことが、長生きのカギ